- EAAってそもそも何?
- EAAをサプリメントで摂る意味は何?
- 筋トレにEAAってどんな効果があるの?
こんな疑問にお答えします。
最近注目の「EAA」。トレーニングを始めたばかりの方や中級者の方も名前はよくきくという方も多いのではないでしょうか。
EAA(Essential Amino Acid)は9種類の「必須アミノ酸」のこと。
この記事では、EAAとはなにか?という基礎知識から、実際筋トレにはどういう効果があるのか、ということについて、プロテインやBCAAとの違いも含めて詳しく解説します!
本記事の内容
- EAAとは?
- EAAをサプリメントで摂る意味
- EAAの筋トレへの4つの効果
EAAとは?

EAAとはどういった物質なのでしょうか?
まずはEAAの解説からしていきます。
EAAは9種類の必須アミノ酸の総称
EAA(Essential Amino Acid)とは、日本語で「必須アミノ酸」のこと。
必須アミノ酸とは全20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できない下記の9種類のアミノ酸を指します。
EAA:Essential Amino Acid(必須アミノ酸)
ー9種類の必須アミノ酸すべて
メチオニン、フェニルアラニン、リジン、ヒスチジン、トリプトファン、イソロイシン、ロイシン、バリン、スレオニン
BCAA:Branched Chain Amino Acid(分岐鎖アミノ酸)
ー3種類のアミノ酸を指す
バリン、ロイシン、イソロイシン
ちなみに、このうち特定の3種類の総称をBCAAと呼びます。
BCAAについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
EAAは体内で合成できない
先ほど触れた通り、アミノ酸は全部で20種類あります。
そのうち9種類を「必須アミノ酸(=EAA)」、EAAのうち3種類を「BCAA」、残り11種類を「非必須アミノ酸」と呼びます。
必須アミノ酸は体内で合成できないので、体外から摂取する必要があります。
一方、非必須アミノ酸は体内で合成が可能です。
そのため、必須アミノ酸をバランスよく体外から摂取するためにサプリメントが多く使われています。
EAAサプリのメリット

では、具体的にEAAサプリはどんな特徴があるの?と疑問を持つ方も多いかと思います。
EAAをサプリメントとして使うメリットは以下の点です。
必須アミノ酸をバランスよく摂取できる
アミノ酸の状態なので吸収が早い
BCAAとプロテインの効果を得られる
1つずつ解説していきます!
必須アミノ酸をバランスよく効率的に摂取できる
まず第一のメリットは必須アミノ酸を効率的に摂取できるという点です。
EAAは必須アミノ酸がバランスよく配合されているため、「質のいい」アミノ酸を摂取することができます。
例えばプロテインや食事からたんぱく質をとった場合、吸収・分解されて20種類のアミノ酸になります。
20種類全てのアミノ酸になるため、そこに含まれる必須アミノ酸はどうしても低くなってしまいます。
EAAを摂取することで、メーカーがバランスを整えた9種類の必須アミノ酸が効率よく摂取できます。
つまり、同じ20gのプロテインと20gのEAAを摂取した時に、当然EAAの方が必須アミノ酸を多く摂取できるということになりますね!
アミノ酸の状態なので吸収が早い
EAAサプリのメリット2つ目は吸収速度が早いという点です。
ここで改めてたんぱく質からアミノ酸になるまでの工程をおさらいしましょう。

体内では基本的に「アミノ酸」の状態になって初めて吸収されます。
プロテインや食事だと、たんぱく質→ペプチド、ペプチド→アミノ酸への分解が必要です。
しかしEAAサプリはアミノ酸の状態なので素早く吸収されます。
品目 | 吸収時間(目安) |
食事 | 2〜3時間 |
プロテイン | 1〜2時間 |
EAA | 15〜30分 |
このように、EAAサプリは非常に素早く必要な必須アミノ酸を体内に取り入れることができるのが大きなメリットです。
BCAAとプロテインの効果を得られる
このあと詳しく解説しますが、EAAはBCAAとプロテインの効果を同時に得ることができる優れたサプリメントと言えます。
それはBCAAを含みながらも、自身が筋肉のもととなる必須アミノ酸であるからです。
ただ、その分高価であることが多く、味も美味しいものが少ないのが注意点です。
BCAAとプロテインの違いについてはこちらの記事で詳しく書いています。
EAAの4つの効果

それではここから、EAAの効果について解説していきたいと思います!
EAA1つで、プロテインとBCAAの効果を同時に得ることができるのは、やはり優れたサプリメントと言わざるを得ません。
EAAの主な効果は以下の4つです。
筋たんぱく質合成促進
筋肥大、筋力・筋量の増加
筋たんぱく質分解抑制
疲労感、筋肉痛の軽減
これらは、まさにプロテインとBCAAの効果として挙げられているものです!
よって、それぞれの効果については上記の記事を参照いただければと思いますが、ここではEAAがなぜそのような効果を与えられるのか、について説明していきます。
筋たんぱく質合成促進

EAAには当然、BCAAも含まれています。このBCAAに筋たんぱく質合成を促進する効果があります。
つまり、EAAが筋たんぱく質合成を促すというよりはEAAの中のBCAA、中でも「ロイシン」が筋たんぱく質合成を促す効果をもっているというのが正しい表現ですね。
こと筋たんぱく質合成促進においては、このロイシンから5%のみ合成されるHMBがもっとも効果があるといわれていますので、下記記事をご参照ください。

筋肥大、筋量・筋力増加
さて、EAAのもっとも優れた点はここにあります。
実は上記のHMBの記事でも説明しているのですが、下記注意点です。
筋たんぱく質合成を促しても筋肉は大きくなりません。
なぜなら、筋肉の材料となるのは9種類の必須アミノ酸が必要だからです。
つまり、どんなにmTORを活性化して筋たんぱく質合成を促しても筋肉になる材料がなければ大きくならないわけです。
そこでEAAを摂取することで、素早く筋肉のもととなる必須アミノ酸を取り入れることができ、筋肥大や筋量・筋力の増加が起こりやすい環境になります。
筋たんぱく質分解抑制
トレーニングなど激しい運動をした時、筋肉は主に糖をエネルギー源として使います。
この時筋グリコーゲン(筋肉に貯蔵されている糖)や血液中の糖を利用しますが、実は同時に筋肉中のたんぱく質を分解して糖に変換して利用しようとする作用が起こります。
この作用を「糖新生」と呼びます。
EAAを摂取することで、この糖新生を防ぐことができます。
BCAAが優先的に使われる
豆知識ですが、糖新生をせずに直接エネルギー源として使われるアミノ酸があります。
エネルギー効率に優れているBCAAです。
BCAAは糖新生による分解の必要がなく、BCAAそれ自体がそのままエネルギーとして使われます。
筋肉中に全アミノ酸の35%をBCAAが占めているのは、素早くエネルギー源として使えるためです。
ただ、BCAAが優先的に使われるとはいえ、他の必須アミノ酸も使われるので、BCAAだけでなくEAAを摂取することがより効果的ですね。
BCAAの摂取タイミングについてこちらの記事で詳しく書いています。
疲労感の軽減
これはBCAAにも認められる効果ですが、科学的に明らかになっている効果です。
疲労感を感じるのには、疲労を感じさせる物質が脳に送られるためです。
疲労感の原因(=トリプトファン)を抑制
トレーニング中の疲労は、アミノ酸の1つである「トリプトファン」が脳内に輸送されることによって生じることがわかっています。
アミノ酸は単体で脳内には移動することができないため、輸送体と呼ばれる乗り物に結合して脳内に運ばれます。
実はBCAAとトリプトファンには同じ輸送体が使われるため、BCAAが使われる時には相対的にトリプトファンの輸送量が減少し、疲労感が減少します。
【コラム】EAAを摂ればプロテインやBCAAはいらない?

ここまで読んでくださった方は「じゃあEAAを摂ればプロテインやBCAAは必要ないの?」という疑問があるかと思います。
答えはNOです。その理由は2つあります。
- EAAはコストが高いから
- 運動中はBCAAが優先的に使われるから
①EAAはコストが高いから
EAAは確かにプロテインと同様の効果がある上に吸収も早いですが、その分コストも高いです。例えば、EAAは1kgで10,000円くらいが相場です。
1日140gのたんぱく質をEAAサプリから摂るとしたら、1kgなんてすぐ無くなってしまいますよね。
この金額を出せる方は問題ないですが、3,000円/kg程度で買えるプロテインと比べると、たんぱく質を補給するという意味ではプロテインを使った方がコスパが高いです。
②運動中はBCAAが優先的に使われるから
次に、トレーニング中はBCAAが優先的に使われるという点。
EAAを摂っていれば問題ないという意見がある一方、この点は無視できません。
サプリメント開発者の第一人者である桑原弘樹さんも、下記の動画で「トレーニング中はBCAAを推奨」と述べています。
| 【トレ中はEAAよりBCAA!!】サプリメント開発の第一人者/桑原弘樹さんに学ぶ栄養学。NEXTFIT kento
トレーニング中はBCAAとともに摂るか、BCAAを多く含むEAAを摂取することをおすすめします。
この点を含めたBCAAとEAAの使い分けの方法については下記記事で詳しく書いています。
まとめ:EAAはプロテインとBCAAのハイブリッド

EAAは、プロテインとBCAAの効果を持つハイブリッドサプリメントです。
ただ、だからといってEAAのみでいいかと言えばそんなことはありません。
[jin_icon_info color=”#e9546b” size=”18px”]EAA、プロテイン、BCAAそれぞれの特徴を生かしてうまく「使い分ける」ことが重要ですよ!
今回は以上です。