エッティンガーのマネークリップを使い始めて1年以上が経過しました。
もともとマネークリップを使っていたのですが買い替えにあたり、エッティンガーというブランドを知り、その他のブランドとも比較した結果エッティンガーに決めました。

とはいえ、いまだにエッティンガーのマネークリップに関する記事が非常に少なく、特に個人ブログでの使用感レビューなどの記事はほとんど見当たらなかったので今回はそうした方に向けて1年使用した僕が使用感やメリット・デメリットについて紹介します。
前編となる今回は、エッティンガーのマネークリップを買うことは大体決めているけど、「本当に買っていいの?」と思っている方に向けて「注意点」について書いていきます。
Ettinger(エッティンガー)とは

まず、Ettingerブランドについて整理しておきましょう。すでに知っている方は飛ばしてくださいね。
エッティンガーは1934年創業のイギリスの革製品ブランドです。英国の革製品御三家の1つであり、唯一王室御用達の「ロイヤルワラント」の認定を受け、御三家の中でも1つ頭が抜けているブランドと言っていいと思います。
英国御三家
- White House Cox(ホワイトハウスコックス)
- Ettinger(エッティンガー)
- GrenRoyal(グレンロイヤル)

Ettingerのロゴのようになっているのは実はロイヤルワラントの称号マークなんです。
※ちなみに、ロイヤルワラントのマークがロゴのように見えると指摘があったようで、つい最近マークを小さくしたロゴが刷新されたそうですよ。
「ロイヤルワラント」を認定できるのは、エリザベス女王・エジンバラ公・チャールズ皇太子の3人のみでそれぞれが自分の称号マークを持っています。

エッティンガーはこのうちチャールズ皇太子からの認定を受けており、その紋章の使用が許可されています。
また、認定されたブランドは5年ごとに精査・更新されるため、一度認定されても5年後には脱落する可能性があるという厳しい世界の中で、エッティンガーは1996年から一度も落ちることなく品位を保ち続けています。
エッティンガーのマネークリップの注意点

では本題、僕がエッティンガーのマネークリップを約1年半使って思った「注意点」についてです。
- エイジングを感じづらい
- 小銭入れ・コインケースを持ち歩く必要がある
- 水には強いけど、注意が必要です
僕が気になったのは上記の3点です。それぞれ詳細の説明をしますね。
エイジングを感じづらい
意外にもなかなかエイジングが進まないんですよね。
もともとブライドルレザーは上質な皮革が用いられるのでブルームが取れた状態で既に艶のある質感となっています。その状態からエイジングが進むことでより深みのある艶が出るという特徴があります。
以下はエッティンガーが公表しているエイジングの比較写真になります。
photo:Ettinger.jp
【引用】BLACKブライドルレザーの経年変化|Ettinger.jp
左が新品、右が経年変化後とのことで、使用年数は特段の記載がなかったのですが、ここまでブラックの艶感が出ることがわかります。
一方で僕のマネークリップの現状はこのようになっています。

曇っているというか、マットな質感で正直新品時とさほど違いはないような感じです。

ちなみに僕が中古で購入したエッティンガーのカードケースと比較するとこんな感じ。使用歴は不明なのですが、明らかにカードケースの方が光沢感がありますよね。

というか、前の持ち主さんエイジングうますぎるのかもしれないですね笑
でも本当にめちゃくちゃ綺麗で、これぞエッティンガーのブライドルレザーのエイジング!という感じです。多分これがエイジングの成功例ですね。
基本的に使用後は馬毛ブラシでブラッシング後に乾拭きをしており、1〜2ヶ月に一回、ブライドルレザー用のワックスでメンテナンスもしています。とはいえ、僕はこのマネークリップを仕事用に使っているので、コロナの影響で出社が減り、持ち出す機会が減ったのもエイジングが進まない理由かなと思います。

正直、より艶感のあるエイジングを求めるなら「コードバン」がおすすめです。コードバンは「革のダイヤモンド」と言われるほどの光沢感を出す馬革の素材です。僕がこのエッティンガーの財布を選んだ時はまだコードバンの知識がそれほどなかったので水に強いブライドルレザーを選んだのですが、エイジングメインで考えているならコードバンがおすすめです。
コードバンのマネークリップはあまり流通していないのですが、Ganzo(ガンゾ)という日本の国産ブランドで僕もとても気になっている(次の財布はGanzoと決めている)メーカーがあるのですが、そこから出ていますよ。

Ganzo|CORDOVAN AUTHENTIC (コードバン オーセンティック) マネークリップ

Ganzo|SHELL CORDOVAN 2 (シェルコードバン2)コンパクトマネークリップ
僕はホーウィン社のシェルコードバンを使ったコンパクトなモデルが気になっています。
小銭入れ・コインケースを持ち歩く必要がある

エッティンガーのマネークリップに限った話ではないんですが、マネークリップ初心者の方はどうしてもここが面倒に思ってしまうかもしれません。キャッシュレス社会になってきたとはいえ、ランチタイムや自動販売機ではいまだに現金が必要な場合が多いですよね。
僕は以前からマネークリップを使っていたのでコインケースを別に持つことはそれほど違和感はないのですが、マネークリップでミニマルにしようと思ったのにかえって荷物が増えてしまうということになることもあります。

個人的な使い方としては、あくまでコインケースは小銭が出たときに入れるようにして、小銭を使うことはしないというのがおすすめの使い方です。
なので、コインケースも一緒に持ち歩くというよりは、小銭が出たら一旦ポケットに突っ込んで、落ち着いた場所でコインケースに移すというイメージです(僕はコインケースを会社に置いていき、ランチで帰ってきたら移すようにしています)。
コインケースを別に持つのが嫌だけどマネークリップを使いたい!という方は、グレンロイヤルやイルビゾンテ、マルジェラからコインケースつきのマネークリップが出ているのでそちらがいいかもしれません。
水には強いけど、注意が必要です

冒頭の話にもあった通り、もともと馬具の革として使われたブライドルレザーはロウを何層にも重ねて塗ることで雨や汗、水にも耐えられるような耐久性を持っているので、一般的には水には強いと言われています。
僕自身、ブライドルレザーを選んだ理由の1つが「水に強い」という点でした。とはいえ、あくまで「本革」なので、水は大敵であることは変わりありません。雨で濡れたり、水滴がついたまま放置したら普通に色が濃くなったりします。

ロウが塗ってあるおかげで浸透しづらくはなっていますが、放置してしまうと染み込んでしまうので、もし濡れてしまった場合はすぐに乾いた布で優しく拭き取ってあげましょう。
また、ゴシゴシ拭いてしまうと革表面が傷ついてしまうのでここも注意が必要です。面倒だと思うかもしれませんが、革を愛で、育てるというのはそれなりの苦労が必要だと思っています。
エッティンガーのマネークリップ注意点まとめ

今回は、僕がエッティンガーのマネークリップを1年以上使ってみて感じた「注意点」について振り返りました。
マネークリップならではの注意点も含まれてはいましたが、ぜひご参考ください。
後編の記事でエッティンガーのマネークリップのメリットや使ってよかった点についてまとめていますので、こちらも併せてご覧ください。
革好きの僕が使っている革小物はこちらの記事でまとめています。