- HHKBを買おうか迷っている方
- HHKBって何がいいの?と思っている方
僕は2020年6月からHHKB Professional HYBRID Type-sを使い始め、日々このキーボードの素晴らしさを感じているところです。
今回はニッチなトピックになりますが、そんな僕がHHKBの購入に迷っている方に向けて、1年使って感じる「HHKB最大のメリット」について書いていこうと思います。
※今回はHHKB Professional HYBRID Type-sのお話になりますのであらかじめご了承ください。
HHKBって何?という方はまずは下記記事からご覧ください。

打鍵感を凌ぐ「キーマップ変更ツール」の素晴らしさ

さて、早速ですが最初に結論を言いますと、HHKB最大のメリットは「打鍵感」ではなく、独自の「キーマップ変更ツール」が使える点にあると思います。
HHKBといえば最高峰のキーボードの1つに挙げられる、言わずと知れた名機です。
そんなHHKBのメリットで最も強く言われているのは「打鍵感」だと思います。もちろん、「スコスコ」「スココココ」「コトコトコト」という静電容量無接点方式のスイッチ機構による独特の打鍵音とその打ち心地は本当に素晴らしいです。
ただですね、繰り返しになりますがその打鍵感をしのぐ最大のメリットは、独自の「キーマップ変更ツール」により作業効率が爆上がりする点にあると使えば使うほど感じています。
というのも、このキーマップ変更ツールがなかったら僕はここまでHHKBにハマっていなかったと思うからです。
どんなに打ち心地がよかったとしても、操作性が悪ければ作業効率もパフォーマンスも落ちてしまいますよね。それでは本来自宅や職場での作業環境をアップデートするために導入したのに本末転倒になってしまいます。
また、ただ単に打ち心地の良さだけを考えるならリアルフォースやNizといったキーボードも候補に上がってくるかと思います。
ですが僕がそれらのキーボードよりもHHKBが優れていると思う理由は、キーマップ変更ツールによって自分の好きな配置に変えることができ、作業の効率を爆発的に上げることができるからです。
HHKBの独自のキー配列
HHKB Professional HYBRID Type-sの特徴の1つとして挙げられるのが、独自のキー配列とレイアウトです。
HHKB Professional HYBRID Type-s(US配列)
HHKB Professional HYBRID Type-s(日本語配列)
通常のキーボードは、数字の列の上にF1、F2といったファンクションキーがついていると思いますが、HHKBはついていません。また、US配列であれば通常右下についている矢印キーもついていない、実にシンプルでありミニマルな設計になっています。
では、F1などのファンクションキーや矢印キーはどのように押すのかというと、Fnキーに任意のキーを合わせて使うことで機能するようになっています。
なぜ、このような設計にしたのかというと、HHKBは正式にはHappy Hacking Keyboardといい、(正統派)ハッカーのために作られたキーボードであり、素早いタイピングを可能にするため極限まで無駄を省いたからです。
そのため慣れないうちは矢印キーやファンクションキーの押し方に苦労するかもしれません。
HHKB Professional HYBRID Type-s(US配列)のキー配列
それもそのはず。デフォルトの設定では、右下のFnキーと上図のキーの組み合わせで矢印キーを実現するようになっています。
ただ、これだと確かに押しづらさは否めません。矢印キーってキーボードの中でも特に多く使うキーだと思うんですよね。それがこのような組み合わせでないと押せないとなると、敬遠する気持ちも確かに分からなくはないです。
キーマップ変更ツールが最大のメリットである理由
ですが、その時に使えるのが「キーマップ変更ツール」というわけです。
キーマップ変更ツール設定画面
僕は設定でスペースの左の通常Command(⌘)キーをFnキーに変更し、さらに「I, J, K, L」、「E, S, D, F」に上下左右の矢印キーを割り当てています(左側にもキーを割り当てているのは片手操作を可能にするためです)。
キーマップ変更ツール設定画面(shimeji仕様)
こうすることで、わざわざ右下の遠い位置にあるFnキーを押すことなく、基本フリーになっている親指を使ってFnキーを組み合わせて使うことができるようになるわけです。
そのほか、backspaceやdelete、Enterキーなんかも実はホームポジションから遠いですよね。
僕のは一例ですが、キーマップツールを使えば好きな位置にbackspaceキーなどを配置できるので、ホームポジションから動かさないでこれらのキーを打つこともできるようになります。
あまりイメージがつかないかもしれませんが、本当にこれが快適すぎるんですよね。本当に普段のテキストを打つ業務については作業効率が爆発的に上がったと感じています。
HHKB利用者の方も、まだまだ最適なキーマップにされていない方をお見受けするので、この魅力を多くの人に体感して欲しいと思っています。
僕はこれこそが打鍵感を遥かに凌駕するHHKBの最大のメリットだと考えています。
そんな理由から、HHKBに慣れるとたまにMacBookや仕事のsurfaceのキーボードを打つときに操作性が悪くて作業効率がめちゃくちゃ落ちてしまうので、僕は家での作業もテレワークでも職場でも全部HHKBを使っています。
選ぶべきモデルについて
では最後に、キーマップ変更ツールを最大限利用すると仮定した時に、購入する際のおすすめのモデルについて紹介したいと思います。
これはブラインドタッチができる方という条件付きにはなってしまいますが、結論、US配列の無刻印モデルをおすすめします。
US配列をおすすめする理由
HHKB Professional HYBRID Type-s(日本語配列)
日本語配列で右下についている矢印キーは、一回ホームポジションから手を離さなければならないですよね。
しかし、キーマップ変更ツールがあれば右下にある矢印キーを使う機会がなくなるので、僕は矢印キーがもともとついている日本語配列は買う必要(メリット)はないと思っています。
キーマップ変更ツールを最大限に利用するのであればUS配列一択ということになりますね。
余談ですが、そもそも日本語(JIS)配列は「かな打ち」しやすいように設計されているので、ローマ字打ちする多くの人はJIS配列を選ぶメリットはそんなにないんですよね、、
Enterキーの大きさなどもあるかと思いますが、JISに比べてUSの方が小指からの距離が近いので実際は押しやすかったりします。ここは個人差ではありますが。
無刻印モデルをおすすめする理由
また、少し見づらいですが、HHKB Professional HYBRID Type-sのキーにはキーの側面にデフォルトでFnキーと合わせて押した時の刻印があります。
HHKB Professional HYBRID Type-s(US配列)
矢印やらVol_DnやらEndやら。ちょっとうるさい印象です。
HHKB Professional HYBRID Type-s(日本語配列)
日本語配列の方はもっとすごいことになっています。ちょっと情報量が多すぎると感じてしまいます。
キーマップ変更ツールで最適化した場合、これらの印字とは異なる配列になりますので、刻印モデルにあるデフォルトの印字は不必要な情報になります。
せっかくのミニマル設計のキーボードですから、印字についてもできるだけ無駄を省いた方がスッキリするのではないでしょうか。
僕自身、そのような理由で白のUS配列の無刻印モデルを使っています(キーキャップはカスタマイズしています)。
shimeji使用のUS配列無刻印モデル
無刻印モデルは「プロ向け」といった謳い文句で書かれていることがあるので、敬遠してしまうかもしれませんが、全然そんなことないのでブラインドタッチができるのであれば迷うことなく無刻印モデルで良いと思います。
色は黒っぽい「墨」と呼ばれるものと、僕が使っているような「白」の2色から選ぶことができます。これについては好みで問題ないかと思います。
僕はある画像で見たHHKBが可愛すぎて最初墨モデルを購入した後に白モデルに買い替えました。

この画像なんですけど、めちゃくちゃいいなと思いまして。ちなみに画像の通り、白モデルは経年劣化により筐体が黄色くなってしまうようです。この画像見たらそれはそれで味だなと思って僕は迷いなく買い替えましたが、黄ばみが嫌だという方は墨が良いと思います。
ちなみに墨モデルは真っ黒ではなく、グレーがかった黒なので結構かっこいいと思います。

白よりも刻印は見えづらくなっています(でも無刻印をおすすめします)。
まとめ

今回は、HHKB Professional HYBRID Type-sの最大のメリットは「打鍵感」ではなく「キーマップ変更ツール」による作業効率の爆上げ効果にある、という点について書いてみました。
またそれにより、選ぶべき(個人的おすすめの)モデルについてもお話ししました。
打鍵感ももちろん素晴らしいですが、ホームポジションからほとんど動くことなく全てのキーを操作することがどれだけ作業効率が爆上がりするか、ぜひ多くの方に体感して欲しいなと思います。
HHKB Professional HYBRID Type-sに関する記事は他にもありますので、興味があればついでにいかがでしょうか。