日々デスク環境について試行錯誤を続けているわけですが、モニターについては非常に判断が難しいと思ったことはないでしょうか。
こんな感じでいろんな意見がありますよね。
それはそのはず。使う人の用途、思考、デスクの大きさ、ディスプレイとの距離、視力などが影響するので、人によって最適なディスプレイサイズが異なるのは至極当然のことだと思います。
今回は諸々調べた結果「最適なモニターサイズは何か」という終着点が見つかりましたので共有したいと思います。
目次*Contents*
モニターの使用用途と結論
さて、まず僕のモニターの使用用途ですが、以下の通りとなっています。
- 在宅ワーク(Excel、PPTなどOffice系ソフト多用)
- Webデザイン(Adobe XDをメインに使用)
- ブログ執筆
- 画像編集
- 動画編集
この状態での結論ですが、僕は以下の2つのパターンが最適なのではないかと思います。
- 27インチ WQHDディスプレイ
- 31.5インチ 4Kディスプレイ
これはあくまで僕自身が感じる最適解になりますが、その理由について書いていきます。
27インチWQHDと31.5インチ4Kが最適な理由
27インチWQHDと31.5インチ4Kがモニターサイズとして最適な理由は以下の通りです。
- モニターサイズと解像度のバランスがちょうどいいから
- FHDのモニターから作業効率が上がるから
- シングルタスクに向いているから
モニターはサイズが大きければ大きいほど、解像度が高ければ高いほどいいというものではありません。
その中で、上記の理由から27インチWQHDと31.5インチ4Kというサイズと解像度がちょうどいいという結論に至りました。
具体的な点について、この後紹介します。
モニターサイズと解像度

まずモニターサイズと解像度について整理しておきます。
モニターサイズ
サイズ (インチ) |
横幅 (cm) |
縦幅 (cm) |
対角線 (cm) |
24 | 53.04 | 29.87 | 60.96 |
27 | 59.66 | 33.60 | 68.58 |
31.5 | 69.60 | 39.20 | 80.01 |
※一般的な16:9の比率の画面を想定しています。
モニターサイズの「〇〇インチ」というのは、「対角線の長さ」で表示されます。そのため、実はインチ数が倍(例:13インチ→26インチ)というのは面積自体は2倍ではなく4倍になるわけです。


2倍と言わずとも24インチから27インチ、31.5インチに変更するだけでも想像以上にモニターサイズは大きくなるということがわかります。
ウルトラワイドモニターの注意点
ちなみに、一般的な16:9のモニターと21:9のウルトラワイドモニターでは画面の大きさが異なる点には注意が必要です。
たとえば、29インチウルトラワイドモニターの画面サイズと27インチの16:9のモニターでは29インチの方が一見大きいと思いますが、四角形は正方形に近い方が面積が大きくなるので、実は27インチの16:9のモニターの方が画面サイズ自体は大きいということがあります。
サイズ | 比率 | 面積(㎠) |
24インチ | 16:9 | 1,588 |
29インチ | 21:9 | 1,965 |
27インチ | 16:9 | 2,009 |
34インチ | 21:9 | 2,701 |
31.5インチ | 16:9 | 2,736 |
34インチのウルトラワイドモニターと31.5インチの16:9のモニターでも同様のことが起きます。
僕の後輩でも、モニターサイズを大きくしようとして29インチのウルトラワイドモニターを購入したところ、想像以上に小さくて驚いたという話があったので、ウルトラワイドモニターを買う際にはできれば実機を見てからの購入をおすすめします。
解像度
続いて、フルHD(FHD)やらWQHDやら4Kやら、よく耳にするものの少しわかりづらい「解像度」について整理していきます。
解像度 | 横(px) | 縦(px) | 画素数 |
HD | 1,280 | 720 | 92万1,600 |
FHD | 1,980 | 1,080 | 207万3,600 |
WQHD | 2,560 | 1,440 | 368万6,400 |
4K | 3,840 | 2,160 | 829万4,400 |
これとは別に「1080p」とか「720p」と言われる指標もありますが、これらは基本的には縦のpx(ピクセル)数を指しています。YouTubeなど画質が選べるものは基本的にこの方式で選択します。
つまり、1080pならFHD、2160pなら4K映像ということになります。ちなみに2160pの横にある60はフレッシュレートを示していて、数値が高いほど滑らかな映像になります。

それとは別に「4K」や「8K」という指標もありますね。これは横のpx数をもとに使われています。たとえば4Kの場合の横のpx数は『3,840px≒4,000px=4K』ということになります。
豆知識
「K」は『Kilo(キロ)』の頭文字で1,000を指す際によく使われます。
1kg(1,000g)、1km(1,000m)で使うあのキロです。
なので、1980p×1080pのFHDは横が約2000pなので「2K」という表現をされることがあります。つまり同じ「フルHD」でも①FHD、②1080p、③2Kという3つの表現があるというわけですね。3つも指標があると覚えるのが面倒ですが、覚えておくと何かと便利です。
WQHD;Wide Quad HD
中でもWQHDはあまり聞くことがないかもしれません。WQHDは『Wide Quad HD』の略です。もともとモニターのサイズは4:3が主流だったものが16:9が主流となったため、「ワイド」はそれを区別するために付けられたものであり、Quadは4を指す単語になります。
つまりWQHDは従来の4:3のHDをワイドにしたHD(今では一般的なHD)の4倍のサイズということですね。34インチウルトラワイドディスプレイなどは3440p×1440pのWQHDが多く使われています。
WQHDはFHDと4Kの間の解像度となっており、表示領域でいえばFHDの約1.8倍で画質も綺麗なため、バランスの良い解像度となっています。
以上がモニターサイズと解像度の抑えておきたいポイントになります。
これらを踏まえて僕は以下の2パターンがよいと考えています。
インチ | 解像度 | 縦(px) | 面積 |
27 | WQHD | 1440 | 2,009㎠ |
31.5 | 4K | 2160 | 2,736㎠ |
モニター選びで重要な「作業効率」

さてここから重要なモニター選びの真髄の話に入ります。
初心に立ち返ってみると、モニターはなぜ導入するのでしょうか?さまざまな理由があると思いますが、結局は
表示領域を増やして
「作業効率」を上げるため
ではないでしょうか。
モニター選びという面ではこの「作業効率」が非常に重要になってくると思うので改めて整理したいと思います。
作業効率と画面サイズ・解像度
作業効率を増やすためには、
- 画面サイズを大きくする
- 解像度を高いものにする
- その両方
の3つがあるかと思います。
画面サイズを大きくする
13インチのノートPCのディスプレイから24インチのモニターに変えるだけでも作業効率は純粋に大きく変わりますよね。
解像度を高いものにする
解像度を上げるというのも表示領域を増やして作業効率を高める1つの方法になります。
というのも、たとえば同じ27インチのモニターを使ったとしても解像度がFHDと4Kとでは画素数を見てわかる通り、理論上は4倍の差が生まれます。
解像度 | 横(px) | 縦(px) | 画素数 |
FHD | 1,980 | 1,080 | 207万3,600 |
4K | 3,840 | 2,160 | 829万4,400 |
画素数が増えることで、より細かくピクセルを表示できることになるので、表示領域を増やすことができます。
注意
しかし、モニターが大きければ大きいほどいいわけではなく、解像度も高ければ高いほどいいわけではありません。
モニターが大きければ大きいほどいいわけではない理由
モニターは大きければ大きいほど物理的に表示領域を増やすことはできますが、大きければ大きいほどいいというわけではありません。
その理由は、大きすぎると目線やカーソルの移動距離が増えるため、かえって作業効率が落ちてしまう可能性があるからです。たとえば映画館のモニターサイズのディスプレイがあったとして、これを仕事用に使えるでしょうか?まず無理ですよね。ではどこまで小さくなれば最も効率的なサイズ感になるか。
これは個人的な見解となりますが、これが27インチもしくは31.5インチだと考えます。僕の家には43インチの4Kテレビがあり、実は現在はこの4Kテレビをモニターとしても使っています。


しかしながら、これを43型のモニターをフルディスプレイで使うとなると大きすぎて使いづらさを感じます。
もちろん、映像を見る上では全く問題ないのですが、ここにウェブサイトやSlack、Teamsといったものを開くと見る範囲が広すぎてかえって使いづらいため、ウィンドウサイズを小さくして使用しています。
画像内に擬似的に表示しているウィンドウサイズが31.5の縮尺ですが、このくらいがちょうど見やすいサイズ感だなと感じました。
解像度が高ければいいわけでもない理由
次に解像度の問題です。解像度が高いほど高精細な画面となるので、確かに映像や画像を見る際には非常にメリットがあります。また、先ほど述べた通り解像度が上がることでピクセル数が増えるのでより多くの文字情報を出すこともできます。
しかし、これは裏を返せば解像度が高いほど文字サイズが小さくなるということになります。理論的には同じディスプレイサイズなら4KはFHDの1/4のサイズになります。

1/4になるということは、フォントサイズは半分になるということです。通常ウェブサイトの文字サイズは16pxが一般的ですので、これが8pxになってしまう計算になります。
4K43型ディスプレイで普通に表示してしまうと、本当に文字が小さすぎてとても使うことができません。43インチの中の8pxですからね。そのため、Macの場合ディスプレイの擬似解像度を変更して使っています。

作業効率を高めるために高い4Kモニターを買ったのに、こんなに小さい文字ではほぼ使い物にならない、とならないためにもこの点は注意が必要です。
だから27インチWQHDか31.5インチ4K
43インチの4Kでこの感じなので、27インチの4Kでは相当文字が小さく映るのではないかと思います。同じ解像度であれば、モニターサイズが小さい方がその範囲で4K分の情報を出す必要があるため、サイズが小さいほど文字がより小さくなるからです。
もちろん24インチ4Kディスプレイになるとより文字情報が小さくなります。逆に27インチを超えてくるとFHDだと画質や文字の荒さが目立つため、27インチ以上のモニターサイズであればFHDよりも高い画質を選ぶべきだと考えます。
よって、4Kでも使用に耐えうるサイズ感である上に映像も綺麗に映る『31.5インチ4K』、もしくはモニターサイズと解像度を落とした『27インチWQHD』が文字サイズ的にも画質的にもちょうどよいと考えたわけです。
4Kで文字が小さいなら拡大すればいいのでは?について
そうなると、「4Kで文字が小さいなら拡大すればいいのでは?」という意見があるかと思います。確かにこれはその通りではあります。

しかしながら、文字を拡大して見やすいサイズ感にするということはその分表示領域が減っていくことになります。「より表示領域を増やして作業効率を上げる」という目的で4Kモニターを導入したのに、実際はそれほど表示領域自体は変わらない、ということになってしまいかねません。
とはいえFHDの文字と4Kを拡大した文字では、4Kを拡大した文字の方が明らかにくっきり見えるのは確かです。もしFHDを使っていて、文字が見えずらいとか、もっとくっきり文字を見たいと思っている方については4Kモニターで拡大するのは1つの手かと思います。
ウルトラワイドモニターとの比較

さて、最後にモニター選びの際に候補に挙がるであろう「ウルトラワイドモニター」との比較についても触れたおこうと思います。
モニター選びには何をやるか、つまり「目的」が重要だと考えますが、その意味では通常の16:9の比率と21:9のウルトラワイドモニターでは「利用の目的」が変わってくると考えます。具体的な目的の違いは以下にあると考えます。
通常のモニター | 目的 | ウルトラワイドモニター |
シングルタスク | 作業方式 | マルチタスク |
○ | 動画編集 | ◎ |
◎ | 画像編集 | ○ |
◎ | 動画視聴 | △ |
シングルタスクとマルチタスク
ここが大きな違いになるとは思いますが、僕は通常のモニターはシングルタスクに、ウルトラワイドモニターはマルチタスクに向いていると考えます。
うルトラワイドモニターの大きなメリットとして、デュアルディスプレイ環境を1枚のディスプレイで完結できる、ということがあると思います。たとえば左側で資料作成、右側に参考資料を表示といった具合に使うことができますね。
確かにこれは便利でもありますが、一度首や視線の動きを考えていただきたいと思っています。

上の図はイメージですが、メインディスプレイが資料作成となる場合には基本的には正対した状態から首を左に向けたまま作業をすることになります。ウルトラワイドでも「正面にウィンドウを置けばいい」という意見もあると思いますが、それではウルトラワイドのメリットを生かせません。

一方で通常の16:9のモニターであれば左右の分割などには向いていないものの、1枚のディスプレイを正対した状態で使うことができます。これは長時間の作業を考えた時に大きな差が出てくると思います。
本当に左右に並べて作業できるのが効果的なのか、自分の使い方として左右分割での運用をどれだけするか、一度これを考えてみるとよいかもしれません。僕の場合は画面に対して正対して作業をしたいのと、シングルタスク派なのでウルトラワイドディスプレイは必要ないという結論に至りました。
少なくともPCの使用用途としてネットサーフィンやブログ執筆、Youtube視聴くらいであればわざわざウルトラワイドを使う必要もないのかなと考えています。
動画編集

次に動画編集の観点から見てみると、これは人によってはウルトラワイドモニターがよいと思います。よく言われるのが、動画編集ソフトのタイムラインを広く見ることができるというのが大きなメリットのようです。
ただ、ここも個人的な意見で言うと16:9の4Kモニターを使ってウィンドウサイズを変更すれば同じような表示ができるのでは、、、とも思っています。

僕もDaVinci Resolveで動画編集をすることがありますが、通常の16:9のディスプレイでそれほど使いづらいと感じたことはありません。むしろレイヤーを重ねた際はディスプレイの縦幅があった方が見やすいので、そこは好みの問題になってくるかと思います。
画像編集
次に画像編集で比較してみますが、画像編集に関しては通常のディスプレイの方がよいのではないかと思っています。
その理由としては、以下の点が挙げられます。
- 画質のよいモデルを選びやすい
- 通常のディスプレイの方が大きく画像を表示ができる
- ウルトラワイドは曲面ディスプレイが多い
画像編集で重要なのが画質だと思いますが、ウルトラワイドモニターに関しては基本的に3440p×1440pのWQHDという画質のものが多く、5K2Kという画質(4Kはない)を選ぶとしたら金額が跳ね上がってしまいます。
通常の16:9のモニターであれば4Kでも安くて5万円弱で入手ができるので金額の面からも一歩優れているのでは、と感じています。
また編集する画像によると思いますが、僕自身Adobe XDを使ってWebページのデザインなど行うことがありますが、UI的にも16:9くらいの方が使いやすいと感じました。
また、34インチ以上のウルトラワイドは曲面ディスプレイが多いです。曲面ディスプレイだと画面が正面に向かって曲がっているので確かに端の方が見やすいというメリットはありますが、画像編集の際などは色域が違って見えてしまう場合があるので、これも画像編集に関してはデメリットになってしまうかと思います。
動画視聴
最後に動画視聴の比較になります。これは人によってにはなりますが、現状通常の16:9のモニターがよいと考えます。
その理由は以下の通りです。
- 画質のよいモデルを選びやすいから
- 一般的な動画の比率がほとんど16:9だから
ここに尽きるかと思います。
確かにウルトラワイドは映画に使われる21:9のシネマスコープ(シネスコ)比になっているため、シネスコ比の映画であれば画面いっぱいの没入感のある映像を楽しめると思います。
しかし、現状では動画配信サービスやYouTubeなど一般的な動画は16:9の比率で作られています。そのため、ウルトラワイドモニターで16:9比率の動画を見ると左右にブランクができてしまうのが結構気になると思います。

通常のモニターであればこれらの動画を画面いっぱいで楽しむことができるので、自分の見る映像がどちらの比率の方が多いかという視点で選ぶのがよいと思います。
まとめ:使用用途によって最適解は変わる

ここまで最適なモニターサイズについて、「モニターサイズ」「解像度」「ウルトラワイドモニターとの比較」といった視点から見てきました。
使用用途によって最適解は変わってきます。動画編集メインなのか、シングルタスクが多いのか、文字サイズはどうかなど、自分の使用用途を改めて書き出してみると、最適なモニターが見つかるのではないかと思います。
少なくとも、趣味程度にブログ執筆、動画編集、画像編集、ネットサーフィン、動画視聴、テレワークでの使用といった僕と同じ用途であれば、今回導き出した
- 27インチ WQHDディスプレイ
- 31.5インチ 4Kディスプレイ
という選択肢は1つの結論となるかもしれません。
ぜひよいモニター選びを!
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