・たんぱく質の1回あたりの吸収に上限はある?
・1回あたりの効果的なたんぱく質摂取量は?
こんにちは、shimeji(@shimejiblog)です。今回はこんな疑問にお答えします。
本記事の信頼性
この記事を書いている僕はこのような人間です。
✅大学院で分子レベルでの筋肉の研究経験あり
✅会社員として働きながら週4回ジム通い
✅4ヶ月半でベンチプレスのMAXは45kgから100kgに
現在筋トレ歴2年でベンチプレスのMAXは110kg挙げられるようになりました。
たんぱく質の1回の吸収上限については僕も大学院時代に結構気にしていました。
確かに、必要以上に摂っても効果がないのであればもったいないですよね。
本記事の内容
✅たんぱく質の吸収上限が1回20gと言われる理由
✅国際スポーツ栄養学会(ISSN)は20〜40gを推奨
諸説あるところではありますが、様々な文献をもとに解説してきます。
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目次*Contents*
たんぱく質の吸収上限は1回20g?
巷でまことしやかにささやかれている、この問題。
たんぱく質の吸収上限は1回20g
実際はどうなのでしょうか?
食品ですから上限はあるかと思いますが、その上限が果たしてなぜ20gか、ということが気になりますよね。
この点についてはトロント大学のMoore DR et al.(2009)の論文が科学的根拠として大きく関わっているのではないかと思います。
Moore DR et al.(2009)の論文
この文献を簡単に紹介します。
▼対象:ウエイトトレーニングを4ヶ月以上継続している男性6名
▼測定項目:トレーニング後にタンパク質を0g、5g、10g、20g、40gを摂取させ、「筋たんぱく質の合成率」を測定
▼結果:たんぱく質20gまでは合成が増加したが、20gと40gの摂取で有意な差が認められなかった
▼結論:筋たんぱく質合成は20gの摂取が必要だが、それ以上は頭打ちになる
Moore DR et al.(2009)

こちらのグラフからわかる通り、20g摂取条件で、ほぼ直線的にたんぱく質合成が増加していることがわかります。
こうしたデータの統計を取った際、「有意差がある/ない」が非常に重要なのですが、このデータは「有意差がある」ため、信憑性が高いです。
しかし、20gと40gの値は若干の増加がみられるものの、頭打ちになっています。
このことから、
20gと40gのたんぱく質合成率は変わらない=20gが上限
ということが科学的に証明されました。
ただ、下記のような注意点もあります。
①エッグプロテインを摂取していた
②トレーニング後の摂取だった
①この研究で用いられていたのは、我々がよく飲む牛乳由来の「ホエイプロテイン」ではなく「エッグプロテイン」でした。
なぜエッグプロテインを使用したのかについては触れられていないのですが、ホエイプロテインだった場合は違った結果になるかもしれません。
②また、トレーニング後に摂取するという実験であったため、例えばトレーニング前の摂取の場合だとまた結果が違うものになる可能性があります。
以上のことから、20gという数値は確かに1つの実験で根拠が示されましたが、条件によっては異なる結果になりうる、と考えておきましょう。
国際スポーツ栄養学会(ISSN)のレビュー(2018)
また、国際スポーツ栄養学会(ISSN)の2018年のレビューも巷では話題となりました。
※レビューとは、まとめ記事のようなものです
Optimal doses for athletes to maximize MPS are mixed and are dependent upon age and recent resistance exercise stimuli. General recommendations are 0.25–0.55g of a high-quality protein per kg of body weight, or an absolute dose of 20–40g.
ISSN exercise & sports nutrition review update:research & recommendations.(2018)
※MPS;muscle protein synthesis(筋たんぱく質合成)
まとめるとこうなります。
筋たんぱく質合成を最大化する要因
・トレーニングの刺激や年齢に依存する
一般的な推奨量
・体重1kgあたり0.25~0.55g
・もしくは20〜40g
ここでもやはり20g〜40gという数値が出てきました。
国際スポーツ栄養学会という公式な組織が行ったレビューにおいてもやはりこの数値は信憑性が高いと結論づけていますね。
ただ、トレーニング刺激や年齢によって筋たんぱく質合成の値は変わるようなので、一概には規定できないようです。
【参考文献】ISSN exercise & sports nutrition review update: research & recommendations.(2018)
お相撲さんが2食で大きくなるわけ
ここでお相撲さんを例に出してみます。
1回の上限が20〜40gだとして、なぜお相撲さんは2食だけであれだけ大きくなるのでしょうか?
基本的に、筋肉を肥大させたいアスリートが摂取すべき1日のたんぱく質量は体重×2gと言われています。
お相撲さんは体重が150kgほどありますから、この原理で言えば300gのたんぱく質を摂取していてもいいはずです。
もちろんお相撲さんは脂肪がたくさんついていますが、その分筋肉もものすごくついています。
にも関わらず、40〜80gというたんぱく質であれだけ身体が肥大するとは考えにくいですよね。
このことからも、たんぱく質の1回の吸収上限20g(〜40g)というのは、一概には言えないのではないかと考えられますね!
1日6食がいい?
たんぱく質の1回の吸収上限は20gだから6食くらいにわけてに摂ったほうがいい
とよく言われます。
先述の通り、筋肉を肥大させたいのであれば、下記のたんぱく質量の摂取が推奨されています。
体重1kgあたり2g
この数値に関しては、ほぼ確定と言えるのではないかと思います。
例えば体重70kgの人であれば140gのたんぱく質ですね。
この140gのたんぱく質をどう摂るかが意見の分かれ目です。
①70g×2回
②20g×7回
③35g×4回
20gが上限であるなら②ですし、上限が異なるなら①や③でもいいですよね。
ただ、①70g×2回はお相撲さんでもない限り現実的ではなさそうです。
ISSNが推奨しているように、上限20〜40gという数値をもとに、②か③で摂取するのが間違いないでしょう。
ちなみに、参考までに現在体重70kgの僕の食事内容【たんぱく質量】を下記に記します。
・朝食:プロテイン、グラノーラ、ヨーグルト【40g】
・昼食:外食(定食多め)【30〜40g】
・帰宅後(トレ前):プロテイン【30〜40g】
・トレ後(夕食):プロテイン or 夕食(鶏むね)【40g】
だいたい上記の感じです。
これで140〜160gのたんぱく質を摂取できており、140gはクリアできています。
というか、すごくプロテインに助けられていますね。笑
このように、1回あたりの上限を気にしすぎず、1日全体で3食+補食を軸に体重×2gを摂取できればOKだと思います。
まとめ:論文ベースでは20〜40gがベター

結論、たんぱく質の摂取上限は1回20〜40gと考えるのが良さそうです。
ただ、この数値は「吸収できない」のではなく「筋たんぱく質合成の増加がそれ以上伸びない」ということなのでご承知おきを。
今回は以上です。