先日購入したfinal初の完全ワイヤレスイヤホン「ZE3000」。finalらしい音作りで、気に入って使っていたのですが一点気になるところがありました。
前まで使っていたag TWS04Kと比較してもやはり高音部分のザラつきというか、シャカシャカ感がどうも気になっていたんです。
「エンジングが進めばマシになるかな」と思っていたのですが、どうも一向に変わらずでして。そんな時、ある方法を試したところ音質が劇的に変わったのでその方法を本日ご紹介します。
ZE3000の高音の刺さりだけでなく、音質そのものを劇的に変えた方法、それはiPhoneではなくAndroidに変更するということです。
そうです、つまりaptX(アプトエックス)のコーデックに対応したデバイスに変更するということです。Android端末に限らず、aptXに対応していればOKです。
目次*Contents*
コーデックとは?

Bluetooth接続では音源のデータを送る際には、データが大きいため基本的には圧縮してデータを送っています。この時に使われる圧縮方法を「コーデック」と呼びます。
コーデックは各社独自の呼称もあったりするので10数種類もあるのですが、基本的に覚えておくべきものは以下の4つです。
コーデック | 特徴 | 主要な対応端末 |
SBC | 標準的な音質 | ほぼ全てのBluetooth端末 |
AAC | SBCよりも高音質 | iPhone |
aptX | AACよりも高音質、低遅延 | Android |
LDAC | ハイレゾレベルの高音質 | Sony端末など |
ちなみに先ほども触れた通り、Bluetoothは無線で音源を飛ばすわけなので、膨大な音源データを圧縮しているわけです。つまり音質の劣化というものが少なからず起きているということになります。
そのため、これらコーデックの話は有線イヤホンであれば基本的には関係のない話になります。有線イヤホンが音質の面でワイヤレスイヤホンよりも優れているのはこれが大きな要因ですね。
しかし中でもLDAC(エルダック)というSonyが独自に開発したコーデックは、本来音質が劣化するBluetooth接続であっても「ハイレゾ」レベルの音質をキープしたまま音源データ送ることができます。そのため現時点ではワイヤレスイヤホンで最も音質がいいのはこのLDACに対応したイヤホンではないかと言われていますね。
出力側と受信側のコーデックを合しておく必要がある

話を戻しまして、いくらイヤホン側がaptXまで対応していたとしても出力側の端末がAACまでしか対応していないと、AACまでしか使われません。
つまり、iPhoneはAACまでしか対応していないため、いくらZE3000がaptXにまで対応しててもaptX音質で聴くことはできないということになります。
僕の場合、たまたま会社からGalaxy S20が支給されていたので、試しに聴いてみたのがきっかけです。
実際に聞いてみて感じた変化

気のせいかもしれませんが、僕がaptXで聴いた時に感じた変化は以下の通りです。
- 高音のザラつきがなくなった
- 聞こえなかった中高音の楽器の音が聞こえるようになった
- 響く低音がより聞こえるようになった
イメージとしてはAACでは全体が100あったとしたら真ん中の70くらいを取っていた感じで、それがaptXになったら70に加えてさらに上下+10くらいを拾ってくれている感じです。

正直、そこまで音質の変化はないと思っていたのですが、結構素人でもわかるレベルには音質の改善がわかると思います。明かに上記に挙げたくらいの変化は感じました。
高音だけでなく低音も音質が劣化してたんだなというのも驚きでした。比較的中高音域に強いZE3000ですが、これだけ低音を鳴らしてくれると本当に音質がいいイヤホンだなと改めて感じました。
これを聴いてしまうと、もう出力端末をiPhoneに戻すのは厳しいかなと思います。もともとZE3000は有線級の音質を鳴らすことができるワイヤレスイヤホンだったので、この性能を最大限生かすためには出力側の端末もしっかり対応させる必要がありますね。
もし、今iPhoneとAndroid両方を持っている方やaptXに対応したデバイスを持っている方は是非試してみてください。iPhoneで聴いた時にZE3000で感じている微妙な音質の悪さが一気に解消されると思います。
最後に

最近、iPhone側の進化がほぼカメラだけとなっている一方で、ワイヤレスイヤホン業界は非常に右肩上がりになってきています。コーデックについてもいまだにAACまでというのはやはり遅れていると感じざるを得ないですよね。
これが原因でiPhone大国の日本でもAndroidへの移籍を考える人も今後より増えていく気がしますね。僕もその一人です。
自分で使っているメインのスマホはiPhone13miniなので、この会社支給のGalaxyを返却することを考えるとついにiPhoneを手放す機会となるかもしれません。
とはいえ、ZE3000は少なくともaptXで聞けばその性能が充分に引き出されて、非常に音質の優れたワイヤレスイヤホンであることは間違いないということはわかりました。